こんにちは!
今回はついに「シン・ニホン」から学んだことの最終回です!
「シン・ニホン」を通して安宅和人さんから学ばせていただいたこと、得られた新しい「気づき」がとても多かったため記事も多くなってしまいました。
ここに書ききれなかったこと、安宅さん独自のニュアンスも体感していただきたいため、時間のある方、興味のある方はぜひ読んでみてください!
ついに最終回なんだね!
そうじゃ。
最後まで気を抜かずについてくるんじゃよ。
目次
未来を創造するということ
未来とは何か
未来とは、予測するものではなく、目指し創造するもの。
日本の未来はどうなるのか、地球の未来はどうなるのか。
これは誰にもわからない。
なるほど、でもなんとなく予想できることもあるよね?
その通りじゃ。
未来の不確実性と戦略
ヒュー・コートニーら(1997)が「不確実性時代の戦略思考」(Strategy Under Uncertainty)で4つの未来とそれに対する戦略、思考を述べている。
参考↓
Google Scholarで検索しました。
https://heller.brandeis.edu//executive-education/pdfs/Strategy-Under-Certain.pdf
日本語訳(有料しか見つかりませんでした)
この記事では、誤解を招くかもしれませんが、わかりやすくするために専門的な用語はなるべく避けてまとめようと思います。
4つの未来
未来は4つに分けられる。
①確実に予測できる未来
②複数の可能性がある未来
③大まかな見通ししかわからない未来
④何もわからない未来
ほとんどの分野が②に属する。
しかし、現代のスマホ上のようにかなり変化が激しい分野は④に属する。
未来に対する戦略
未来の完全な予測が不可能である以上、未来に対する戦略は以下の3つになる。
❶自分で未来を創造する
❷未来に適応する
❸現状を維持し、未来を待つ
未来に対する行動
未来に対する行動は以下の3つに分けられる。
⑴大勝負(リスク大)
⑵ある程度のシナリオを組んだ行動(リスク中)
⑶後悔しない行動(リスク小)
未来と戦略、行動の関係
①〜④の4つの未来、❶〜❸の3つの戦略、⑴〜⑶の3つの行動はそれぞれ関係している。
例えば、④の場合は❶の戦略が最も有効的。
しかし、❶の戦略は⑴の行動を選択することが多いためリスクは高くなる。
⑴〜⑶はどれか一つを選ばなければならないわけではない。
したがって、⑶を取りつつも⑴のように仕掛ける姿勢が重要。
⑴と⑶の両立なんて難しそうだね…
そこで、安宅和人氏は「イニシアチブ・ポートフォリオ」という考え方を紹介しているんじゃ。
イニシアチブ・ポートフォリオ
イニシアチブ・ポートフォリオとは、未来は予測不可能ということを前提にしつつ、その中でも状況を良くする仕掛けをどう打ち込むかを考えるというもの。
考え方は難しいが、重要なのは①から④になればなるほど、目先ではなく中長期、未来を意識すること。
つまり、 先が読めない分野ほど直前ではなく未来に投資することが重要であるということ。
割合は
目先5〜6割
中長期2〜3割
未来1〜2割
が理想的。
ちなみに、今の日本は目先に偏りすぎている。
(Part5の過去にお金を使っていることからもわかる。)
未来を創り出すための投資は忘れちゃいけないね!
でも、未来を創造できるかどうかよりもっと深刻な問題があるんじゃ。
地球上の深刻な問題
急速に悪化している自然
地球上のあらゆる自然環境が悪化している。
例えば、水産物(魚介類)、原生林(人が木を植えていない森林)、野生動物が圧倒的に減り続けている。
さらに、北極や南極の氷山が溶けていることをはじめとして、地球温暖化による影響も深刻化している。
人間の責任
上記の自然環境の悪化は全て人間によるものといっても良いレベル。
このままでは、未来を創造する以前にこの地球がもたない。
かなり深刻だね…。
そうなんじゃよ。
人間が引き起こした問題だから、人間がどうにかするしかないんじゃよ。
SDGsとSociety5.0
SDGsとは(中)
SDGsとはSustainable Development Goalsの略で持続可能な開発目標のこと。
持続可能な社会を目指すために、環境問題、貧困問題などの実現のために17のゴールを設定している。
17は以下の通り。
詳細は以下をご覧ください。
「シン・ニホン」の中で述べられている目標と似ているところが多く、日本の目指すべきところとSDGsは多くの項目で一致している。
Society5.0
Society5.0とは「超スマート社会」のこと。
テクノロジーが発展した社会で、政府はテクノロジーが発展した世界をイメージしたムービーも制作している。
(Society5.0には、「シン・ニホン」から学んだことのPart2でも触れています。)
Society5.0では日本人の強みである妄想力を発揮している。
SDGsとSociety5.0の矛盾
Society5.0を目指すとSDGsの掲げる、自然環境の問題を悪化させることになる。
テクノロジー化が進むと、その分電力の消費量が多くなるからだ。
Society5.0とSDGsはどちらも正しいが、論じる視点が異なっている。
そのため、 両者をうまく交えた中間ともいえるべき未来を目指すのが良い。
両方取り入れた社会の実現を目指すんだね!
その通りじゃ。
次はもうひとつ大問題と言われていることについて考えてみるかのう。
人口減少の問題
人口減少は悪か
現在、日本が抱えているとされている大きな問題の一つが人口減少だ。
人口減少による問題点は以下の4つ。
1.経済が悪化する
2.国の収入が減り、国債が返済できなくなる
3.これ以上若者に対する高齢者の割合が大きくなると、社会保障の面で支えられなくなる
4.人口が消滅する
しかし、どれも前提が間違っている。
1は1人あたりの労働生産が上がらないことを前提としているが、日本はPart1の通り伸びしろだらけのため、その点を改善すれば問題ない。
2は1を前提としているため上に同じ。
3は高齢者の定義が今のままであることを前提とした想定だが、長寿化が進み長く働き続けるようになれば問題ではない。
4なら対しては真逆。今は人工受精なども発展しているため、もともと不妊の人も子供を産める時代のため、消滅はまず考えられない。
したがって、「人口減少だ、やばい。」という考えではなく、対処するために制度をどう変えるかを検討するべき。
確かに、これからはAIの発達で1人あたりの生産性は上がることが考えられるね!
そうじゃな。
そもそも今の人口減少は恐れるものではないかもしれんぞ。
人口減少は乗り越えられる
過去に人類は急激な人口減少を乗り越えてきた。
戦争による人口減少、疫病による人口減少、飢饉による人口減少だ。
この急激な人口減少を乗り越えてきた人類が今の緩やかな人口減少を乗り越えられないわけがない。
最後は安宅和人氏が実際に進めているプロジェクトについてじゃ。
「風の谷」を創るプロジェクト
どんなプロジェクト?
日本にある廃村や廃村になりかけている村をジブリ映画の「風の谷のナウシカ」をイメージした、自然と共存する村にしようというプロジェクト。
目指している「風の谷」とは?
村おこしでも地域活性化でも都市化でもなく、データ×AIのテクノロジーを駆使した、自然と人が共存する村。
どんな課題があるの?
・教育機関や医療機関の設置場所
・インフラ整備
・都市や他の自然に囲まれた地域にはない魅力を継続的に出すにはどうするのが良いか
など、考えれば考えるほど出てくる。
さらに課題の中から課題が見つかることも多い。
どう解決するの?〜菊の花構想〜
安宅さんは特に医療機関の問題について具体的な構想がある。
現在、医療が整った都市から遠く離れた村や町に高齢者が多く住んでいる。
それでは、実際に救急車を呼んでも命を落としてしまう可能性が高まる。
そこで、都市の病院の近くに高齢者の方々に住んでもらう。
そのとき、病院に一番近いところには90代その外側に80代のように年代別に住んでもらう。
そして、病院の近くに住む若者や体の強い人には都市税のような税金を払ってもらう。
そうすることで、自然と高齢者は病院の近くに住むことができ、さらに同年代が近くに住んでいるため、交流をすることもできる。
さらに、病院から出て90代,80代,70代の地域の順に通って病院に戻ってくる自動運転バスを走らせれば救急車を呼ばなくても、自力で10分程度で病院に着くことができる。
これを上から見ると菊の花のような形になるので菊の花構想と呼んでいる。
10年から20年かけてゆっくり実現させていくのが現実的。
未来へ残すことを忘れない
目先のことに捉われず、未来を見据えて行動する。
例えば、「風の谷」プロジェクトも数年後ではなく今後数十年数百年にわたって残す価値のある場所を作ることを心がけている。
さらに、「風の谷」プロジェクトでは数百年を動かす一歩目を踏み出すことを意識している。
専門知識、若さ、さまざまな視点や強みを活かして未来を「目指し創っていく」ことを忘れてはいけない。
僕も若さという力があるからそれを活かして何ができるのか考えて、安宅さんのように未来を見据えて行動する!
そうじゃな、安宅和人氏は最後にこう綴っているんじゃよ。
高校生の頃からいつも自分の心にある1つの言葉とともに、この本を書き終えたい。
「一日生きることは、一歩進むことでありたい」 - 湯川秀樹
さあ行動だ。
以上で「シン・ニホン」から学んだことはすべて終了となります!
最後までお読みいただきありがとうございました😊
まさに「今読むべき1冊」「これからの教科書ともいえる1冊」になっているので是非お読みください!
書評も書いているので書評の方も読んでいただけると嬉しいです!!!