こんにちは!
今回も「シン・ニホン」から学んだことを備忘録としてまとめていきます!
Part3はこちら
前回はこれからを生きるために必要な3つの力と「気づく」ことの大切さを学んだね!
うむ。今回は、その人材を育成するための話じゃよ。
目次
3層の人材育成
AI×データ時代で勝つための3層
1.リーダー層
→データ×AIにおける日本のトップレベルの人材(この層のレベルで国の強さが決まる)
2.専門家層
→困ったときに相談できる高度な専門家レベルの人材(この層は厚みが必要)
3.リテラシー層
→データ×AIの基礎知識はもちろん、未来を見据えた考え方を身につけている人材
今、日本にデータ×AIの知識を身につけてる人はほとんどいないんだよね?
Part1で時代はすごい速さで変化してるって言ってたけど、間に合わなくない?
鋭いのう。その通りじゃ。
安宅和人氏はそれももちろん考慮して、いくつか提案をしているんじゃよ。
遅れを取り戻す人材育成
1.2つのリソースの再活用
3層の育成には中学生、高校生からの教育が効果的だが、社会に出るまでに時間がかかる。
そのため、すでに社会にでている優秀な2つの層を再活用するのが良い。
〈技術者・エンジニア層〉
数理素養に優れており、人数も多い。
ICTエンジニア側の方々はデータ×AI分野の専門家を、他の分野の技術者にはデジタル素養を持つ人材に生まれ変わってもらう。
相当数のデータプロフェッショナルが生み出せる。
〈ミドル・マネジメント層〉
世代の中で最も教育・知的レベルが高い人たちが集まっている。
分析力の強みを生かして業務をデジタル化する人材に変身できる。
長寿化も後押しとなり、世代全体が活性化される。
2.学ぶ→教えるのシステム
データサイエンス分野は教師不足が深刻になる。
学んだ人はそれを教える側に回ることで、倍数的に教師の数を増やすことができる。
教えることで得られることも多い。
3.MOOCと反転学習の導入
MOOC(ムーク)とは、無料で学べるオンライン講座のこと。
反転学習とは、[授業→宿題(復習)]ではなく、[自主学習(予習)→宿題→わからないところを先生に聞く]の流れにする学習。
この2つを合わせれば、教師は少なくても学習可能になる。
4.外国からスペシャリストを招く
日本よりデータサイエンスの教育が進んでいるインドやアメリカから、スペシャリストを招く。
そのためには、国として受け入れる体制を作る必要がある。
自分が教わったとしても人に教えられる自信ないよ…。
そこも問題じゃな。
国語力と数学力の見直し
国語は多くの時間を割いてはいるが、必要な能力を育成できていない。
数学は、中学生でのレベルとしては世界トップ5だが、「数学=嫌い」という人が多すぎる。
国語力の現状〜空気を読む教育〜
・小説や随筆から、筆者の主張などを類推する
・思ったことを書かせるだけの感想文
・角の立たない表現や複雑な敬語
国語力の改革〜考える力・伝える力〜
・文の構造や分析から理解する
・論理的に考え、整理する
・明確に力強く考えを伝える
数学の現状
・学力はトップレベルだが、嫌いな人が多い
・データの世界で必要な線形代数や統計数理、微積分を高校卒業までに学び、理解している人が少ない
数学力の改革
・「数学=嫌い」をなくす教育、数学への恐怖を緩和する(学力は維持したままでも可能(シンガポールが実現している))
・データサイエンスに必要となる土台を高校生までに身につける
なるほど!
でも、今までの話から考えると、これだけで未来が変わるとは思えないよ?
その通りじゃ。
未来を創造するためにはこれでは足りんのじゃよ。
未来を仕掛ける人材育成
1.自分らしさの育成
今の学校教育では、漢字の書取りや計算ドリルが主になっている。
これからの時代に大切なのは自分らしさ。
そのため、マシンを作り出すような教育ではなく、目的や主体性、自分らしさを育てる教育をする必要がある。
2.仕事について知る
仕事とは何かわかるかな?
人や社会のために何かをしてその対価としてお金をもらうことだと思ってるよ!
仕事とは、世の中に変化を起こすこと。
物理の公式で以下のようなものがある。
仕事 = 力 × 距離
これを社会的な意味に言い換えると、 仕事の大きさとは、どれだけ大きな力でどれだけの変化を起こすことができたかである。
自分が生み出したい変化は何か。
今の世の中の仕事はどんな変化を生み出しているのか。
これを15歳までには考えさせておくべき。
3.サイエンスの本質
今の学校教育はサイエンスの本質を見失っている。
公式を覚えて、それを式に適用して、問題を解くことが第一の目標になっている。
昔、ニュートンがリンゴの落下から万有引力を見つけたという話のように、サイエンスの本質は、自然からパターン、法則を見出すことであったはずだ。
今後、人間の自然との付き合い方を考える上では不可欠な考えである。
そのため、基礎となるサイエンス力は重要である。
実感することで得られることも多くある。
4.データ×AIに通用するデザイン力の育成
デザイン力を鍛えることで、妄想力にスイッチが入る。
例えば、遠くから俯瞰するデザイン力だ。
戦後、日本はこの俯瞰する能力をうまく使えなかったがために、歴史がある国にもかかわらず、都市の多く、さらに田舎でさえも、歴史を感じることができない街となってしまった。
また、技術・家庭の科目ではもっと新しいものを作るという要素を加えることで、夢を描くデザイン力を養うことができる。
5.「使える」世界語力の育成
日本の英語力(世界語には今後中国語も加わる可能性大)は極めて低い。
今後のビジネスでは英語は必要不可欠となる。
いくら翻訳機が発展しても、自分で理解し、自分の言葉で伝えるには英語力が必要になるからだ。
TOEFLの母国語別の2017年のスコアでは、日本が母国語の人の平均は71点であり、主要国の中では最低である。
さらに、EF英語能力指数では2019年の日本の順位は53位で、教育環境が整っているとは言えない国と同じレベルである。
「読む聞く」のインプットを中心とした、教育から「書く話す」のアウトプット中心にするべき。
6.アントレプレナーシップの素養育成
アントレプレナーシップとは、事業創造や商品開発のための精神や発想のこと。
それを学ぶ環境が整っていない。
希望者だけでも、大学までにある程度学べる環境を整えるべきだ。
これは、アメリカでこのプログラムを持つ大学に倣って実験的に導入していけば実現可能である。
いかに、日本の学力の方向性が間違っているかがわかるね!
今までの時代に強い育成では、この先通用しないんじゃよ。
改革が必要じゃな。
小中高校中心の教育刷新
データ×AIに特化した教育
1.データの利用
サイエンスの本質は自然からパターンを見出すことにある。
そのときに、自然を数値としてデータ化し、規則を見つけるなど、データを用いた学習を取り入れる必要がある。
そして、それを機械に学習させるのがAIだと言うことも教えるとなお良い。
楽しく学ぶことができる。
2.ソフトウェア作り
アプリやウェブ上で動くソフトウェアをグループワークを通して作り、競い合うことで、楽しみながらプログラミングを身につけることができる。
3.ものづくり
スモークの中にプログラミングしたレーザーを照射したり、ドローンを作って飛ばし、競い合うなど、ものに応用することを学ばせる。
楽しみながらやってもらうのが大切。
4.空間をつくる
まちづくりや海の空間などをドローンの映像や資料をもとに、粘土やCGで模型化していぬ。
全部座って勉強するより楽しそう!
楽しく、体で実感してもらうことがより大切じゃな。
指導要領の刷新
指導要領は定期的(3〜4年に1度)は改訂していくべきだ。
なぜなら、それだけ早く社会が変化していくからだ。
学校の授業スタイルの刷新
先生1人に対し生徒複数で同じ授業を同じペースで行うことはこれからの時代に向いてない。
今後は一人一人の理解度に合わせて、対処提案していく授業スタイルを取るべき。
そうすることで、それぞれの才能に合わせた教育ができ才能を解き放つ大きな力になる。
全体の育成はわかったけど、さっきの3つの層の専門家層とリーダー層について詳しく聞きたい!
そうじゃな。アメリカとも比較しながら考えていこうかのう。
専門家層以上の育成
第二,第三の波で必要になるプロフェッショナル
第二,第三の波はデータ×AIとなにかの掛け合わせで刷新的な産業を生み出すことになる。
したがって、基礎研究にしか興味がない人材ではなく、自分から仕掛け、実現させる人材が必要となる。
また、他の分野でも、ただ専門的知識を有する人ではなく、課題を認識し知識を用いて解決できる人材が求められる。
博士課程を持つレベルの専門家層
専門家層では、博士課程レベルの専門的知識を身につけた人材が望ましい。
すなわち、自分の知識を用いて研究開発を仕掛けられるレベルの人材だ。
日本では、そもそもの博士号修得者が少ない。
諸外国では官庁の事務系職員でさえ、博士号を持っている人が大半である。(日本ではほぼゼロ)
日本は、博士課程レベルの専門家も英語を用いて仕事をおこなえる人が少ないため、世界で活躍するスタッフの輩出ができていない。
日本とアメリカの大学院システムの違い
日本のシステム
学部→修士課程→博士課程
そして、大学院卒 = 修士課程以降修了者となる。
アメリカのシステム
学部→博士課程(大学院で専門職大学院というものもある。)
アメリカで、修士というのは大学院中退、もしくは学部卒業時に同時に修得できる学位である。
したがって、大学院卒 = 博士課程修了者ということ。
日本のシステムの問題点
修士課程でも院卒となり、ある程度の専門的な知識を身につけた人になるため、学生はそこをゴールとしてしまう人が多い。
さらに、博士よりも安く雇えるため、博士より修士に手を出してしまう企業もある。
これが、アメリカと比べて日本の博士課程修了者が少ない理由になっている。
専門家層、リーダー層を育てる上でも問題有りなんだね!
そうじゃな。
次はデータサイエンティストについて考えてみよう。
データサイエンティストとは?
データサイエンティストとは、ビジネスにおいて顧客がいて課題を見つけ解決まで一貫しておこなえるプロフェッショナルのこと。
単にデータの扱いに長けた人でも、データを用いた研究を行う人でもない。
ビッグデータの処理はデータサイエンティストのみでおこなえる?
ビッグデータは膨大なため、転送の方法が異なることに始まり、すべてのステップで他のデータとは違う部分がある。
したがって、それぞれの分野での専門家が必要になる。
いろんな専門家が必要なんだね!
そうじゃな。最後に、第二,第三の波で勝つための専門家育成の話をするかのう。
第二,第三の波で勝つための専門家育成
第二,第三はもちろんデータ×AIを利用するだけでは勝てない。
データ×AIと何かの産業の融合というような考え方がわかりやすい。
例えば、データ×AIを医学に適用するときには当然医学知識が必要となる。
したがって、第二,第三の波で勝つ専門家を育成するためには、各分野を専攻している学生に副専攻としてデータ×AIを学んでもらう必要がある。
第二,第三の波で勝つためには{(データ×AI) × 何か}っていう考え方になるんだね!
そういうことじゃな。
以上、Part4でした!
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