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【書評】【本屋大賞2位】ライオンのおやつ(小川糸著)

こんにちは!

 

前々回「流浪の月」に続いて、今回は本屋大賞2位となった「ライオンのおやつ」を読んでみました!

 

目次

 

読もうと思った理由

本屋大賞作品の「流浪の月」がとても良作であり、他のノミネート作品も読みたくなったから

人生と向き合うようなテーマに惹かれたから

 

読む前の気持ち

・自分の人生最後のおやつはなにが良いかなんて絞りきれない…笑

・「流浪の月」が面白かったから他のノミネート作品も面白いんじゃないかなぁ(期待大)

「ライオンのおやつ」というタイトルはどういう意味だろう

 

あらすじ

 余命宣告を受けた主人公、海野雫。彼女は一時その病に関連した様々な怒りや負の感情を抱えていた。

 雫は自分の最後を小さな島のホスピスライオンの家」で過ごすことに決めた。

 人との関わりはなるべく避けようか、そう考えていた雫だが「ライオンの家」とその島の人々や犬との出会い、「ライオンの家」で毎週開かれる茶会(おやつの時間)を通し、様々な感情を抱き新たな発見、考え方に出会う

 人生の最後とどう向き合うか。死が近づいたからこそ気づけたこと、病魔に侵されたからこそ巡り合えた人々。

 涙なしでは読めない感動の物語。

 

感想

 あらすじにも書かせていただきましたが、まさに涙なしでは読めない感動の物語でした。

 

 この小説の構成は、最初から9割は主人公目線の一人称視点で描かれ、最後の数ページは周りの人々の視点で描かれるという構成です。

 

特に、最後の数ページはボロボロ泣きました…!

 

ただ、それは悲しいことに共感する涙、死に対する共感の涙だけではありません。

 

 人生とは何か、人生の終わりをどう迎えるかがテーマとなっているため、もちろん、悲しいという感情はあります。

 

しかし、読み終わって私が感じたのは温かさでした。

 

 朝ごはん、おやつ、さらにはスーパーに並んでいるバナナ、これらをあたりまえに食べられることはどれほど幸せなこなのか。

 

改めてそれを教えてくれる作品でした。

 

 生活の質という意味のQOL、人生の最期を迎えるときの質という意味のQOD、これらはイコールなのだという表現がありました。

 

まさにその通りだと私は思いました。

 

 「もし今日が自分の人生最後の日だとしたら、今日やる予定のことを私は本当にやりたいだろうか?」

 

これはAppleの創設者スティーブ・ジョブズ氏がスピーチで残した有名な言葉です。

 

これもまさにQOL=QODを表していると思います。

 

 ライオンのおやつは「どう生きるか」が「どう死ぬか」につながるということを伝えてくれました。

 

  人生とは、自分で撒いた種を育てて最終的に収穫すること。

 

どれだけ良い作物を収穫だけしようとしても、種を撒いていなければ収穫できない。

 

どれだけ良い種を撒いたとしても育てないと収穫することができない。

 

 人生を良くも悪くも決めるのは自分だということを改めて認識しました。

 

 海野雫さん(主人公)は人生を通して、普通に生活していたら気づけなかったことをたくさん伝えてくれています。

 

  私は今生きていることに感謝して、口にするおやつの味を噛みしめて、生きていきたいと思いました。

 

 死というテーマと前向きに向き合うことで、どう生きるのかにつなげる、「ライオンのおやつ」是非読んでみてください!